おもいをかたちに・・・
【繭と生糸は日本一】
弊社は、桐生市にて、群馬県産生糸を使用したオリジナルシルクニットを企画製造販売いたしております。
『消費者の立場に立ったパーソナルな物づくり』を目指し、一九九八年に、創業いたしました。
九九%が、外国で生産され、輸入製品であるという繊維業界の厳しい現実を踏まえ、物づくりにおいて、『地場の伝統産業である養蚕・蚕糸技術を現代に生かしたい』という思いで今日まで、邁進して参りました。
『繭と生糸は日本一』と言われますように、群馬の絹は、日本の絹であると言っても過言ではありません。
千五百年もの歴史と共に育まれた養蚕文化と、優れた蚕品種の開発技術、製糸、撚糸、絹染色の伝統技術、織り、編みの技術というように、絹が生産されるまでの多くの一連の伝統技術が、すべて県内において存在し現代においてもなお、受け継がれているのも群馬県の大きな特徴であります。
【製造履歴管理・トレーサビリティー】
そうした伝統技術を守り、伝承してゆくためには、川上から、川下までの連携した物づくりの確立が急務であります。
群馬県の養蚕農家数は、平成元年において一五,五〇〇戸ありましたが、その後年々減り続け、平成十年には、一,九三〇戸、平成十八年現在では、元年の約三十分の一である五五七戸まで減少し、収繭量も平成元年は、七,六〇二トン、平成十年には、八三九トン、平成十八年現在では、元年の約三十四分の一である二二五トンと激減しております。
弊社は、養蚕振興の位置づけで、三年前から、前橋市大胡町の養蚕農家と『年間特約契約』を結び、農家特約料を支払うことにより、繭の安定的な生産と、品質向上に努めております。
養蚕農家も、どのように繭が製品化され、どのようなルートで販売されているかということを知ることにより、やりがいにも繋がり、『今年もいい繭を作るからね。』と笑顔で応えていただけます。消費者にとっても、生産者が明確であり、製造履歴管理がなされることにより、安心感と信頼性が増すと思われます。
【群馬の絹のブランド化】
群馬県は、群馬の絹認定委員会において審査のうえ、商品に『群馬の絹認定マーク』を付与しています。弊社は、商品開発当初より、このマークを信用のマークとして製品に添付し、消費者にプレゼンテーションしています。一昨年の十一月に自社ブランド『ちぢらCHIJILA』(商標登録)を立ち上げました。繭を自然な形で解きほぐすと、一本の縮れた生糸になります。
絹の世界では、この『縮れる』という意味を『ちぢら』という言葉で表現をします。これは絹が、歴史と伝統の世界の中で育まれてきたという証明であり、絹の本質を示すこの言葉をブランド名にしました。
絹は、元来着物の世界が中心ですが、素材としてとても繊細な繊維であり、洗濯までできるシルクニットは、デニール(太さ)や撚糸回転数、染色技術、洗濯堅ろう度の面など、原点からの商品開発が必要でした。数々の検査テストを重ね、商品化できたことは、大きな喜びであります。
【オリジナル染色・カラー繭】
群馬県には、約150年の歴史ある『上州座繰り』という伝統技術があります。
伝統ある技術を、正確に伝承し現代に生かし、それを土台として発展させる事が大切であると思います。一昨年の九月に
繭から染色し、繰糸工程により色繭を合わせて多彩な色を出す技術を特許申請いたしました。例えば色の三原色を生かし、赤と青に染色された繭から紫色を、黄と青の繭から緑色を、赤と黄から合わせて橙色が繰糸できます。この技術により、多数の色調を表現することができ、通常のカセ染めでは出せない虹色に乱反射する美しい生糸を伝統技術である『上州座繰り』の手法で生産することができるようになりました。堅ろう度試験も、通常に絹染色に比べ、良い結果が得られました。
【小学校の課外授業】
弊社は、伝統技術継承のため、『上州座繰り』講習会を実施しております。その中で、近隣の小学校4年生を対象に、課外授業で児童に座繰りを体験させたことがありました。担任の先生のご理解の上、実現した事ですが、一匹の昆虫が糸を吐き、繭を作ることで終わりではなく、その先には、繭を糸にし、それで着物を作った日本古来の文化がそこにあります。
生徒たちが、『上州座繰り器』を回しながら、目をキラキラさせ、不思議そうに糸を引く姿は、とても感動的でした。
【おわりに】
絹産業は、まさに出逢いと感動の産業であると思います。今後も、養蚕農家と創り手のおもい、消費者の思い、郷土を愛する想いが一つになれたらという願を込めて物づくりに精進して行きたいと思います。
川上の養蚕農家から川下の消費者に至るまでが手を携えて夢をもって商品開発に取り組めるような環境づくりができ、群馬の絹文化がますます活性化されますことを心より願っております。















